FEM

話を学業に戻します。私が、最初に有限要素法のコースを受講したのは、1979年でした。Prof. Irving H. Shames という教授のコースでした。内容は、変分法をベースした弾性解析の有限要素法で、実際の計算手順も講義に含まれていました。私は、早速、試しに Laplace Equation を解くプログラムを書いてみました。差分法に比べると、プログラムがシンプルで解析精度も良かったと記憶しています。
次の学期にも有限要素法のコースがオファーされていたので、受けてみました。講師の名前は忘れましたが、コースで用いた本は、Prof. Gallagher のFEMでした。このコースでは、さほどのインパクトは感じ取れなかったが、Prof. Gallagherの居るUniversity of Arizona へ行くきっかけになりました。

■ Tucson, Arizona ■
てな訳で、Arizona州のTucson市にあるArizona州大学へ行くことになりました。1980年の8月でした。Tucson市は、非常に暑くて空気が乾いているところです。
5月に摂氏38度に達し、8月には、45度以上になります。また、夏場の平均湿度は、約20%で、最も低くて4%です。そして、夏には毎日といっていいほど、大夕立ちが降ります。夕立ちが来る前には、決まって空が怪しくなり、空気が匂うようになります。夕立ちが来ると道路は、川となり湿度も80%位に成ります。しかし、この夕立ちは30分と続かず、再び元の湿度20%に戻ります。(乾燥しているため、写真の様なSaguaro Forest が方々にあります。秋と冬の雨期が終ると、奇麗な花を咲かせます。)
私が居たときに、500年に1度という大きな夕立ち(大洪水)があり、橋や家が流され、Tucson市が大混乱になったことがありました。いつもは水が流れていない川が、湿地帯の大河のようでした。私は、わざわざ川を見学にいった程です。他にも大勢見学に来ていました。
Tucson市と言えば、西部の町です。近くには、西部劇映画でよく耳にするBenson, Tomstone, Bisbee の町があります。OK牧場の決闘を思い出して下さい。映画といえば、Tucson市中心から30分行ったところにOld Tucson という撮影所があります。入り口には、John Wayne と Clint Eastwood の写真が貼ってありました。
アリゾナ州の北部には、Grand Canyon があります。位置的には、Tucsonから車で約8時間のところにあります。谷の深さが1000m、幅が10Km、長さが200Km以上あります。そして、谷のリムは標高約3000mもあります。Grand Canyon へは、Flagdtaff か Williams から入れますが、どちらにしろGrand Canyon 迄は、なだらかなUp & Down が続きます。車がキャブレタータイプのエンジンだと、標高のせいで元気がなくなります。また、黒い煙を吐くようになります。苦労して、Grand Canyon へ着いても、30分で見飽きます。どこから見ても同じ景色だからです。
Grand Canyon周辺には、まだまだ面白いところが沢山ありますので、Grand Canyonは早々と引き上げ、別の場所へ行かれることを進めます。1つに、Meteor Crater があります。隕石が落ちたあとです。大きさは、野球場が4つ入る位で、深さは50階建のビルに匹敵します。他に、Pained Desert, Petrified Forest(化石化した木)があります。つまり、自然がいっぱいということですね。動物も沢山いますよ。

Tucsonの自然について、もうちょっと話しておきましょう。夏には、20分以上水無し帽子無しで外を歩かないで下さい。脱水症状になります。車で旅行するときの注意事項を下にまとめておきます。

ガソリンゲージが半分以下になったら、ガスステーションを見つけて満タンにしておく。次のガスステーションまで300Km離れている場所がある。
どんな良いバッテリーでも、2年以上はもたないものと思っておいて下さい。熱でやられる。
エアーフィルターは、年に1回交換する。砂をよく吸う。
車には、必ず蒸留水1ガロン(約50セント)と毛布を1枚入れておく。水は、人間と車用です。アリゾナは、1日の温度差が激しい。
車のペイントが熱で焼ける。防ぐ良い方法は無いが、ワックスをかけておくと効果がありそう。
FlagdtaffからPhoenixまでの間は、ずーと下り坂です。ブレーキとクーラントに気を付けて下さい。エンジンブレーキを使うこと。エンジンが冷え過ぎるので、たまには空ぶかしをする。

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