Time Derivative and Upwind Method
1 Dim. Convection-Diffusion Equation

時間微分項と移流項の処理方法の実際を学んで頂くために、 1次元のConvection- Diffusion Equationの有限要素法を紹介します。紹介するといっても、処理方法の詳細は、既に学習しましたので、ここでは、扱う微分方程式と計算結果を紹介をします。

■Inverse Problem■
1次元でも、Convection- Diffusion Equationを解くことにより、様々な物理現象をコンピューター上で再現できます。

その1つとして、湖底に体積しているsediment(体積土)の化学物質の測定結果と微分方程式をカップルすることにより、過去の地球上の活動を知ることができます(文献参照) (文献のコピーが必要な方は、E-mailを下さい。)。この様に、現状の実測から過去を知ることを、Inverse Problemと言います。下に、実測と計算の方法を示します。

湖底からコアーサンプルを抜き取ります。
コアーサンプルを数ミリ間隔に切断します。
各切断されサンプルに対し、土の密度と観測したい物質の放射性同位元素の質量の濃度(dpm/gram)を測定します。
過去の活動が正確に知られている物質(Cs-137等)を用い、湖底に体積する年間の土の量(r=Sedimentation rate)を推測します。この推測には、Convection- Diffusion Equationをv(x,t)=r(t)/ρ(x)で解く必要があります。
初期条件を推定します。つまり、数十年前の湖底の土における、物質の深さ方向の濃度のことです。
Convection- Diffusion EquationからNeumann型境界条件を未知数とした連立方程式を立てます。Nuemann型境界条件とは、湖底の水とsediment(土)との境における物質のfluxを意味します。
連立方程式を解くと、地球上の物質に関する過去の活動を知ることができます。

■Convection-Diffusion Equationの有限要素法■
Inverse Problemの詳細には、文献を参照して頂くとして、ここでは、上の解析のベースになっている、Convection-Diffusion Equationを有限要素法で解く方法を紹介します。まず、ここで取り上げる微分方程式は、下に示す様な形をしています。

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